寄付と資産運用のコラボレーション


私たちが何気なく銀行や郵便局に預けている預貯金は、主に「株式」と「債権」という形で世界中に投資されている。

銀行や郵便局はこれらの投融資によって利益を上げた一部を預金者に利息として支払っている。しかし、銀行や郵便局を通じて行われた投融資活動の中には、巨大ダムや鉱山開発、兵器生産、原子力発電所など、深刻な環境破壊や人権侵害を起こしてしまうケースも少なくない(Fair Finance Guide参照)。

世の中には様々な金融商品があるが、基本的に継続的な投資により収益を上げる収益源は株式と債券になる。株式は「事業によって得た利益を結果の良し悪しで配当するお金の出し方」、債券は「事業の結果が良かろうが悪かろうがあらかじめ決められた約束の利子を受け取るお金の出し方」。リスクを低くし、一定のリターンを得るためには、「国際分散投資・長期投資」が妥当な選択肢である。

株式や債券のお金は、一定の経済的収益を上げる事業、もしくは政府が行う事業にしか回らない。しかし、フェアでエコロジーな社会を実現するためには、難民の保護やNPOによる災害復興、NGOによる政策提言など、一定な収益を望めない活動にもお金を回していく必要がある。一時的に寄付であれば、あまり深く考える必要はないが、NGOやNPOが効果を挙げるためには長期的な支援が不可欠。そういった長期的活動を資金的に支えるためにも、ただ、有名だからとか、宣伝しているからといって闇雲に寄付するのではなく、効果的分散の寄付方法が必要だと思う。

株式や債券によってお金の回る営利事業、そしてNGOやNPOが行う経済的収益を上げない活動。この二つの間にあるのがフェアトレードショップや天然酵母のパン屋さん、市民風車などNPOの行う非営利事業やソーシャルビジネス、社会的起業など。これらの事業にお金をまわす仕組みとして、NPOバンクや社会的事業ファンドなどが各地で次々と立ち上がっている。毎年の寄付よりも少し多目のお金を出資することで、長期的に非営利事業を支えることができる。